『ゴリラの パンやさん』作:白井三香子、絵:渡辺あきお
見た目で判断してはだめ。先入観で人を判断してはいけないことを、子どもたちの好きな動物たちでお話が進みます。優しくて正義感のあるゴリラのパン屋さんに引き込まれ、親子で何度も読みたくなる絵本です。
こんなお悩みありませんか?
絵本紹介

『ゴリラの パンやさん』の楽しみポイント
・優しさに触れる。
・見た目では判断できないことを学ぶ。
・容姿ではなく、行動や発言で人の心の美しさを見極める力をつける。
・思い通りにいかないときこそ考える。ということを学ぶ。
年齢 | 2歳~ |
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季節 | 1年を通して |
こんな方へ | ・パンが大好きな娘へ。 ・何でも見た目で判断してしまう子どもに悩んでいる。 ・「優しさ」とは何かを知って欲しい。 ・思い通りにいかないときに考える癖をつけて欲しい。 |
おすすめ絵本
ゴリラの パンやさん
白井三香子/作
渡辺あきお/絵

絵本紹介文
ゴリラさんがパン屋を開きました。
新しいパン屋さんに、動物たちが訪れますが、なぜだかみんな帰ってしまいます。
「声が大き過ぎたかな?」「笑顔が必要かな?」ゴリラさんはその都度考えては、「次はこうしてみよう!」といろいろ変更していきます。
ある日、うさぎの小さなお客さんが3人来ました。
ゴリラさんはこの小さなお客さんを驚かせないよう、人形を使ってやり取りを始めました。
しかしそこへ、いじわるキツネがやってきて横入りをします。
ゴリラさんはキツネの横入りに対して、いけないことはいけないとビシッと言いました。
「あっ、しまった。うさぎの子どもたちを怖がらせてしまったかも…。」と、心配するゴリラさんでしたが、当の子うさぎたちは、ゴリラさんの対応を嬉しく思い、その後毎日パンを買いにゴリラさんのパン屋さんに通うようになりました。
この絵本の注目ポイント

「何でお客さんが来ないのかな?」と何度も試行錯誤して挑戦する姿を見て欲しい

パン屋が開店して数日、お客さんは来るものの、なぜかみんな帰ってしまう…。
「開店したばかりだから仕方ないよね。」
とマイナスなことだけを考えるのではなく、何かできることはないかな?という視点で物事に取り組む姿がカッコ良いです。
「パンの陳列方法を変えてみよう。」
「声が大きすぎるのかな?」
自分なりに「こうした方がいいかも?」「こうしたらお客さんが喜ぶよね。」と試行錯誤しながら行動していきます。
子どもたちにもゴリラさんのような主体性を学んで欲しい。
目の前の物事に対して自分なりの考えを持って取り組んで欲しい。
大人は子どもたちにそう望みます。
しかし、このように行動してくれるようになるには、毎日の家族との接し方がカギになるようです。
まず、不必要な「指示・命令」を止めることです。
「○○しなさい。」「○○すればいい。」
子育てにはつきものの定番の声掛けです。
しかし、毎日親の指示・命令に従っていると、大人の言うことをそのまま実行するだけの、考えない子どもを育てます。(→多くの育児書にそう書いてありますね。)
「あなたはどうしたい?」「どっちが良いと思う?」
どんなに小さなことでも良いので、子どもに選択してもらう、または答えを出してもらうような声掛けが必要だと感じます。
ダメなことはダメとはっきり伝えられる素晴らしさを知る

ゴリラさんの素晴らしいところ。
そこは、「ダメなことはダメ。」と言えることではないでしょうか?
「パンが売れたらそれでいい。」ということだけを考えたら、横入りをしたキツネに怒ることはありません。
しかし、お客さんであっても、「ダメなことはダメ。」と言える心の強さ。
ゴリラさんに守ってもらったうさぎの子どもたちは、それは嬉しかったことでしょう。
最近、私たち大人は、他人の子どもに注意をしなくなりました。
その子のためにはならないとわかっていても、その子の保護者がどのような考え方であるかを知らない以上、子どもを注意することをためらってしまいます。
しかし、物は言い方。
子どもたち自身も、自分が悪いことをしたと知っているはず。
上からガミガミ怒るのではなく、なぜダメなのかを優しく伝えればきっとわかってくれると思います。
第三者に言われたからこそ、効き目のあることもたくさんあります。
いろいろな大人と関わることで子どもたちは成長し、学んでいきます。
その学びの機会を減らすことにならないよう、私たち大人も子どもたちに向き合って接していきたいものです。
優しさは誰かが見ていてくれるということ

一見、小さなうさぎの子どもたちからしたら、大きなゴリラは怖い存在かもしれません。
しかし、キツネの横入りを「ダメだよ。」ときちんと伝えてくれた正義感のあるゴリラさんの行動を一部始終見ていたうさぎたちには、「ゴリラさんは優しい人。」と、ゴリラさんの見た目ではなく、ゴリラさんの行動から、ゴリラさんの人柄を判断しています。
大人の世界でも良くあることです。
実際に話してみないと、その人がどんな方なのか判断できません。
子どもたちにもそのことを知ってもらえる良い機会かもしれません。
お友達の行動をよく見ることで、今まで気づかなかったその子の良さを知ることができるかもしれませんね。
絵本実践ポイント
お客さんが来なかったら、○○ならどうする?と聞いてみる

「もしもパン屋さんで、お客さんが全然来なかったらどうする?」
「お客さんに毎日来てもらえるように、できることあるかな?」
自分が行動することで、問題は解決できるかもしれない。ということを知ってもらうことができます。
お店屋さんでなくても、問題は日常生活の中で山ほどあります。
「今日、保育園に遅刻しそうだったけど、もう少し余裕を持てるように、明日はどうしたら良いかな?」
「風邪ひいちゃったけど、何で風邪ひいちゃったんだろうね?」など…。
子どもなりに考えてくれますし、その答えが意外と面白かったり。
親子の会話が盛り上がります!
どんな人になりたい?と尋ねてみる
「どんな人になりたい?」と聞いて見て下さい。
子どもの「なりたい姿」を知ることができます。
我が家でこの質問をしたら、「いつもいつもTVばかりみている息子でも、本当は、時間になったらTVを消したいと思っているんだなぁ。」という発見がありました。
「TVを消したいけど、面白くて時間になっても見てしまう。」そんな気持ちに共感してあげるだけで、時間通りにTVを消せるようになることが、本当に本当に本当に少しずつですが、回数が増えてきました。
子どもであっても、「こんなふうになりたい。」という思いはあるはず。
難しくてなかなか言語化することはできないかもしれないけれど、数か月に一度聞いてみることで、親子で「ありたい姿」を把握し、その姿に向かって成長できる機会を逃すことなく成長へと繋げられるといいですね。
絵本詳細
絵本名 | ゴリラの パンやさん |
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文 | 白井三香子 |
絵 | 渡辺あきお |
発行 | 株式会社 金の星社 |
出版日 | 1991/11 |
価格 | 1,430円(税込) |
絵本サイズ | 21cm+28cm |
ISBN | 978-4-323-00206-4 |
制作 | すずき出版 |
印刷 | 株式会社ウイル・コーポレーション |
製本 | 株式会社難波製本 |
こんな時に | ハロウィンの絵本を探しているときに |
キーワード | ハロウィン、仮装、トリックオアトリート、パレード |
目安対象年齢 | 4歳~ |
ページ数 | 26ページ |

今回は、見た目は怖そうだけど、実は優しい優しいゴリラさんのお話でした。